60代のトランスジェンダー

60歳を過ぎてからジェンダークリニックの門を叩いたMtFのお話

こまき市民文化財団の2021年度の講座、取り下げてきました

2020年度、11月、12月、1月と小牧市の市民文化財団主催の市民企画講座という企画で「LGBTって何?いろいろな性別の形を知ろう!」という講座を担当しました。

先日、市民文化財団から2021年度の講師登録の更新と講座の申し込みの書類が送られてきていたので、2021年度も同じ内容で講座を持たせてもらうように書類に記入して送っておきました。

で、今日、市民文化財団との面接がありました。

面会したのは、2020年度の講座を担当した女性職員の方と、その上司とおぼしき男性の方の二人。

去年もこの時期に面談があって、講座の内容などを説明した記憶があるので、同じように講座の内容を説明するつもりで行きました。

講座の内容と言っても2020年度と同じ内容なので、担当の女性には改めて説明することもないのですけど、上司らしき人も同席されていたので、もう一度同じことを説明すればいいのかなと・・・

しかし、その上司らしき人は、どうも講座の内容を知りたいわけではなさそうで、2020年度の参加者が12名だったことが気に入らないらしく、2021年度も同じ内容でやるのなら人が集まらない、というようなことをしきりに力説していました。

私の感覚からすれば、「LGBTって何?」という講座があることを特別にアナウンスするわけでもなく、「こまなび」という市民文化財団が発行している冊子とインターネット上の市民文化財団のサイトに、他の非常に多くの講座といっしょにさりげなく載っているだけだから、12名も集まれば上出来だと思っていました。

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普段から関心のある人でも、たくさんの講座の中のひとつとして載っているだけなら、そういう講座があることすら気が付かないでしょうから。ところが、上司とおぼしき人は「去年と同じことになってしまう」などとおっしゃるので、12名の参加者ではまったくの失敗だったと思っておられるのでしょう。女性の担当者が開催日を土曜日にすることを提案されましたが、それでも納得がいかないようで、さらに「同じ内容では人が集まらない」というようなことを言われ、講座の内容を変えるように私に迫りました。

講座に参加もしていないのに、「この内容はこれでいい」とか「この内容はこうした方がいい」とか私に指図するようなことを言い出しました。

「私はあなたの部下じゃないんですけど・・・」と思いながら最初は話を聞いていましたが、そのうちに「(LGBTは)7%だっけ?」「そういう人は周りにいない」「自分たちと違う人に出会ったらどう対処したらいいか」とか言い出し始めました。

「自分たちと違う人に出会ったらどう対処したらいいか」が、私にはまるで「街で野良犬に出会ったらどう対処したらいいか」と同じように聞こえてしまいました。

私の講座でも、当事者からカミングアウトされた時にはどのように対応すればいいか、ということはお話しします。

言葉としてはよく似てはいるのですけど、何と言いますか、その話し方とか、態度とかで、「野良犬に~~」に聞こえちゃうんですよね(^^;)

口では「LGBTの問題は大事」とか「こういう時代だからこういう講座もやっていかないと」とか仰っても、それがご自分の意識の中になじんでいないというか、自分のものになっていないという気がするんですよ。

ですから、この人は「セクシュアルマイノリティは自分とは違う生き物、自分たちより下の存在」と思っていて、「講座の内容よりも動員する人数が大事」な人だと確信したので、「もう結構です」と言って、2021年度の講座は取り下げて帰ってきました(-_-;)

実は2020年度の講座、

  1. 参加者のフルネームを参加者一覧として参加者全員に配った
  2. 終了後のアンケートの性別欄が「男・女」しか選択肢がない

という問題がありまして、市民文化財団が講座終了後に参加者に対して行ったアンケートでもこの2点が指摘されていました。

  1. 個人情報がうるさく言われているこの時代に、参加者のフルネームを参加者全員に知らせるとは何ごとだ!
  2. 性別は多様であるという講座を開いておきながら、アンケートの性別欄に男と女しかないのは何事だ!

ということですね(^^;)

ほかにも、申込みの締め切りが異常に早いとか、参加費を事務所まで持って来いと参加者に強いるとか。

私の感覚からするとこういうことは「あり得ない!」と思うのですが、こういう上司がいる組織でなら、さもありなん!ということかしら?

というわけで、2021年度の小牧の私の講座はなくなりました。残念でした(^^;)