60代のトランスジェンダー

60歳を過ぎてからジェンダークリニックの門を叩いたMtFのお話

介護保険証が再発行されました

再発行された介護保険証が届きました。

氏名欄は「小嶋小百合」に、性別欄は「男」じゃなくて、「備考参照」になっていました。

最初は担当者から「性別欄は変更できません」と言われていただけに、実際の介護保険証を確認して、安堵しました。

 

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ただし、戸籍上の氏名と性別は介護保険証のどこかに必ず記載しなければならないので、戸籍上の氏名と性別は備考欄にしっかり記載されていました(;^_^A

備考欄は3ページ目にありますから、表からは見えませんが。

 

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でも、これは仕方がないですね、戸籍の氏名・性別は変更していないんですから(^^;)

それでも、保険証の表のページに「男」と書いてあるよりは、よほど精神的な苦痛は少ないです(^▽^)/

これから高齢者になる当事者の方! 介護保険証の氏名・性別欄には戸籍上の氏名・性別を書かなくてもいい(健康保険証も同様)、ということをしっかり覚えておいてくださいね。

介護保険証は自治体ごとに発行されますから、自治体の担当者が知識がなかったりすると戸籍上の氏名・性別を記載されてしまうかも分かりませんからね。

日テレ系「家売るオンナの逆襲」でLGBTがテーマに

昨夜の日テレ系ドラマ「家売るオンナの逆襲」でLGBTを扱ったことがちょっと話題になっています。

見ていない人は1月30日(水) 21:59までGYAO!で見れます。ぜひどうぞ。

家売るオンナの逆襲 第3話 2019年1月23日放送分 (リンク先は 2019/1/30 21:59 まで有効)


1時間のドラマの中に「L」も「G」も「T」も、「性指向」も「性自認」も全部ぎゅっと詰め込んでしまっています。(Bについては用語の説明だけはありました。)

北川景子がすごい形相で説明するLGBTについての話は、性指向・性自認を始め、Qの人の存在や、「トランスジェンダーでゲイ」の人の存在など、実に的を射た説明だと思いました。またレズビアンカップルの一方がそっと生きたい、他方が社会を変えなきゃと意気込んでいるふうの描写も現実の問題をよくとらえていると思って見ていました。
しかし、人前でレズビアンカップルがキスしたり(あり得ないですよね?)、売れ残りの不動産を理屈をつけてLGBTに売りつけたり、とか、ちょっとどうかという内容もありました。

人前でレズビアンカップルがキスするシーンなんか、こんな演出すると却って偏見を助長するのではないかと心配になります。

また、北川景子が「他人の心など理解できなくて当たり前」と主張するシーンは、自民党が提出しようとしている「LGBT理解増進法案」つぶしだと主張する人もいます。まぁ、そこまで意図してドラマは作ってないでしょう? と思いますが。

いずれにせよ、注目していい番組だと思いました。

今回の番組は「LGBTを説明する」という側面が大きかったように思いますが、今後、「説明」をせずに、自然にドラマの中でLGBTが登場するようになってくること、LGBTの存在が当たり前になってくることを期待します。

市役所から謝罪がありました

バローで買い物をしていたら市役所の担当者から介護保険証の性別欄のことで電話がありました。

性別表記について、平成24年に 通達が出ていました。

私の勉強不足で申し訳ありませんでした。

 という内容でした。

たぶん、昨日私が見つけた「被保険者証の性別表記について」という通知と同じ書類だと思われます。

性別を備考欄に記載したものを郵便で送るという事なので、数日中に手元に届くと思われます。

介護保険証の氏名・性別について市役所に行ってきました

1月13日の記事に書いた通り、65歳になって送られてきた介護保険被保険者証に戸籍通りの氏名・性別が記載されていたので、通称名に変更してもらうために、今日市役所に行ってきました。

通称名については、厚生労働省から介護保険について「被保険者証の氏名表記について」という通知が出されているので、市の担当者も事務的に書類を受け取って、「はい、変更しますね」という感じで受け付けてくれたんですが、さて、これからが問題です。

 「性別欄も変更していただけますね?」と確認したところ、担当者は「性別欄はそのままです」と答えました。

その根拠として、厚生労働省から発せられた「被保険者証の氏名表記について」という通知を持ち出しました。その資料の別紙に以下のようなQ&Aが添えられています。

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この中の「Q2」に

「性別表記の取扱いに変更はあるか。」という問いに対して、

「性別表記の取扱いについての変更はない。」という答えになっています。

このQ&Aを根拠に、担当者は性別欄は変更できません、と主張しました。

私、実はこのQ&Aのことはすでに調べていて、介護保険被保険者証だけでなく、健康保険被保険者証についても、厚生労働省から同じQ&Aが発行されています。

そこを担当者に説明しました。

健康保険も「性別表記の取扱いについての変更はない。」 となっているけど、実際の健康保険証の性別欄には戸籍上の性別は記載されていません、と、実物の健康保険証を確認してもらいました。

私の健康保険は協会けんぽなんですが、健康保険証を見ながら担当者は「協会けんぽさんが自身の判断でこのようにしているのでしょうかねえ?」と、あいまいな受け答え。

「当事者にとって、氏名もさることながら、この性別欄に戸籍上の性別を記載されることが一番嫌なんです。ぜひ、性別欄に戸籍上の性別を記載しないようにしてください」と強くお願いしました。

すると、担当者は「県などと相談します。ただ、お約束はできません」というような答えを返しました。まぁ、担当者としてはそんなところなんでしょうね。

聞けば、介護保険証の氏名・性別欄の変更を申し出たのは、春日井市では私が初めてだとのこと。そうならば、なおさら、私が頑張って性別欄の記載を変更してもらわなければ p(^^)gガンバ!

最初の人間である私が性別欄の記載はそのままという市の主張を受け入れてしまえば、私の後に続く人たちがみな嫌な思いをしてしまうことになります。

こんなやり取りのあと、結果は電話で連絡してくださるという事なので、「ぜひ性別欄の変更もよろしくお願いします」と強くお願いして帰ってきました。

帰ってきてから、ネットで調べてみたのですが、実はあったんです!

「被保険者証の性別表記について」という厚生労働省からの通知が。しかも、健康保険も介護保険も両方とも。

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ここには、

被保険者から被保険者証の表面に戸籍上の性別を記載してほしくない旨の申し出があり、やむを得ない理由があると保険者が判断した場合は、裏面を含む被保険者証全体として、戸籍上の性別が介護サービス事業者等で容易に確認できるよう配慮すれば、保険者の判断によって、被保険者証における性別の表記方法を工夫しても差し支えないこと。

 と明記されています。

戸籍上の性別が保険証のどこかを見れば分かってしまう事には変わりはありませんが、それでも、保険証の表に「男」と書かれるよりは精神的にどれだけ楽でしょうか!

これで、もし市の担当者から「性別欄はやっぱり変更できませんでした」と連絡があっても反論できる材料ができました\(^O^)/

うれしいですね (^O^)ウレシーーーー!!!

中村中さんのライブに行ってきました

昨日、中村中(なかむらあたる)さんのライブに行ってきました。

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中村中さんは、同じトランスジェンダー(男性から女性、今でも戸籍は男性)であること、「友達の詩」がヒットしたこと、紅白歌合戦で、初めて戸籍が男性にもかかわらず紅組に出場した初めての歌手であること、そのぐらいの知識しかなかったのですが、行ってほんとうによかった。

数日前に、紅白に出場した時(第58回NHK紅白歌合戦)の動画をネットで探して見ていたので、その時のおとなしめの印象しかなかったけど、ライブのパワフルなステージに圧倒されっぱなしでした(^-^)

もちろん、友達の詩も歌ってくれたし、しんみりメッセージを投げかけるような静かな歌(題名はわかりません、(^^;) )もあり、時には涙が止まらないような状態にさせられてしまいました。

そうかと思うと、突然ギターを振り回すような激しい曲が始まり、これが同じ人かと思うほど(笑)

そして、ほんの短い時間でしたが、去年の、杉田水脈議員の「生産性」発言※1や、今年初めの平沢勝栄議員の「LGBTばかりになったら国は潰れちゃう」発言※2に触れ、「私のことは嫌いでもいい、でも、他の人に向かって、皆さんも嫌いになるべきだ、というのはやめてほしい」というような内容の話をしてくれました。くどく批判することはなく、さらっと話してくれたのにはとても好感が持てました。

ライブが終わったあと、すっかり中村中さんのファンになっているのには自分でもびっくり!

最新アルバム「るつぼ」もライブ会場で買ってきてしまったし、

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また、今日、中村中さんのファンクラブ「中毒倶楽部。」(名前がすごいですね!)にも加入してしまいました(笑)

また、名古屋でライブがあったら絶対に行こう!!!

 

※1 杉田水脈議員の「生産性」発言

自民党杉田水脈衆議院議員が『新潮45』2018年8月号に掲載された「『LGBT』支援の度が過ぎる」という寄稿文の中で「LGBTカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」と主張した問題。

※2 平沢勝栄議員の「LGBTばかりになったら国は潰れちゃう」発言

自民党平沢勝栄衆院議員が2019年1月3日、山梨県内での集会で「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚。これは批判したら変なことになるからいいんですよ。もちろんいいんですよ。でもこの人たちばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」と発言した問題。

1月19日(土)に第10回虹色グラカフェを行います

■第10回「虹色グラカフェ」
 日本社会にはLGBTQ+をはじめ、障害を持っている方、左利きの方、色覚異常の方、一人親家庭婚外子など、一般的に「マイノリティ(社会的少数者)」と呼ばれている人たちがいます。
 そういう人たちが気軽に参加して、好きな話をしたり、困ったことを誰かに相談したりできる、自由な集いです。
 マイノリティ当事者だけでなく、マイノリティに理解のある方ならどなたでも参加できます。
■日時:2019年1月19日(土) 17時00分~18時30分ごろ
 虹色グラカフェは奇数月の土曜日に開催しています。
■今回の話題(予定)
 ・新年にあたって。
 ・その他、最近の出来事や、相談事など、自由に話題を提供してください。
■場所:コミュニティセンター rise
 http://rise-net.info/?page_id=25
 名古屋市中区栄4-18-16 NEWSビル3F
■参加費:参加費:200円(飲み物、お菓子付き)
■定員:12人
■お申込み:お申し込みがなくても当日来られて席があれば参加できますが、できれば、第10回「虹色グラカフェ」のFacebookイベントで「参加予定」としてもらうか、メールまたはその他の可能な方法で参加の意思を伝えてください。
■メールアドレス:rainbowgracafe★yahoo.co.jp (★を@に変えてください)
■注意事項:会場は貸し切りではございません。虹色グラカフェ参加者以外の方も来られます。そのような方に迷惑をかけないよう、また、ご自身のプライバシーについては、ご自身で責任をもってご参加ください。
参加者お互いの立場を尊重されない方や、虹色グラカフェの主旨を理解せずに他の参加者を不愉快にさせる言動をする方は退場をお願いする場合があります。
特に、「LGBTってどんな人か一度見てやろう」みたいな、マイノリティに対する興味本位で参加する方や、また、マイノリティに無関係な政治的その他の主張をされる方は固くお断りいたします。
■「虹色グラカフェ」のあと、希望者があれば二次会も行う予定です。他の人がいる場所では話せないような個人的な悩みの相談事などは二次会で。

仕事で老夫婦のお宅へ初めてお邪魔した時のこと

初めてのお客さんのお宅へパソコンサポートの仕事でお邪魔しました。
そこのご主人はかつて、私の教室に来た事があるそうで、男性として生活していた頃の私の事を知っていましたし、何度か電話でお話もしていました。
家の中に上がらせてもらった直後から、
「女性の方がみえるとは思わなかった」
「奥様ですか?」
「ご主人がみえるでしょう?」
と、矢継ぎ早の質問攻撃に遭いました。
そこで、いつものように名刺を差し出し、「すいません、裏に説明が書いてあるので読んでいただけませんか?」と言ってみました。
私の名刺は表は小嶋小百合と印刷されている普通の名刺ですが、裏にはトランスジェンダーについての説明が書いてあります。
ご夫婦は小さい字は読めないと言われて、虫眼鏡を持ち出して二人で熱心に読まれました。
読み終わった頃を見計らって、芸能界のはるな愛さんや、KABA.ちゃんの話をし、今では谷生俊美さんのようにニュース番組で活躍されている方もいらっしゃるという話をしました。
そうして、最初は奇異の目で私を見ていたお二人も穏やかな表情になり、最後には和気藹々の雰囲気の中でパソコンの作業をさせてもらいました。
私はこんな風にして、初めて会った方一人ひとりにきちんと理解してもらえるよう地道にお話をしています。
マスコミで取り上げてもらって話題にしてもらうのも大事ですが、テレビを見ている人の多くは聞き流すだけで、心には残っていません。
実際、今日のお二人も「LGBT? ああ、聞いた事があるような…」程度でした。
自分の周りの人たち一人ひとりにきちんとお話をして理解を広げていく事、気が遠くなりそうですが、これが大事だと思っています。
最近、twitter上でトランス女性に対する攻撃がひどいという話を耳にします(私はtwitterを使ってはいますが、それほどヘビーユーザーではないので詳しいことは分かりませんが)。
また、Facebook自民党LGBT理解増進法案と野党のLGBT差別解消法案を巡って言い争いを目にすることがあります。
そういう事を見聞きすると悲しいですよね。
一人ひとり、面と向かってきちんと説明すれば、たいていの人は理解してくださいます。
地道に自分の周りの人から・・・当事者・理解者、みんなでやりましょう。
遠回りですけど、これが一番です。

ちなみに、パソコンは何のトラブルだったかと言いますと、変なメッセージがいっぱい出てくる、というもので、アダルトサイトから取り込んだと思われる迷惑ソフトが合計10個見つかり、すべて除去して帰ってきました。
みなさん、パソコンでアダルトサイトを見るのは極力控えましょうね(^_^;)