野本梢監督の映画「愛のくだらない」を見てきました。
野本監督は30代の若い監督。
ひとつ前に見た「彼女はひとり」という映画の監督は中川奈月さん。中川監督も大学院で勉強している時に「彼女はひとり」を撮ったという若い監督。
この二人の監督で「映画監督はおじさん」のイメージがすっかり変わってしまいました。
野本監督という若い監督が撮った映画を見てみたいという思いで見に行きました。
映画の主題はひとりの女性が信念を持ちながらも、仕事でもプライベートでもうまく行かない事が多く、それでも失敗しながら成長していくというもの。
その物語にLGBTQ+が大きなテーマになっている事は映画を見るまで知りませんでした。
番組のプロデューサーをする事になった主人公の景がたまたま知り合ったFtMの金井栞に出演を依頼する時に言ったセリフ「流行りだから」という言葉に「この監督はLGBTQ+の事を分かっていないのでは?」と一瞬思ってしまったけどそうではありませんでした。金井栞を巡る一連のストーリーはすべて野本監督の実体験から描かれているという事が映画のパンフレットを読んであとで分かりました。
LGBTQ+の事をよく分かっていて、あえて世間の人のLGBTQ+に対する認識の浅さを描いていたのです。
また、この映画はLGBTQ+の生きづらさだけではなく、LGBTQ+への差別に憤り、人を人として認識せず、正義感をもって攻撃してします過ちや、子連れに不寛容な社会、男女平等という言葉だけ先行して実態はまだ男尊女卑の社会、男性に原因のある不妊の問題など、様々な視点が含まれています。
オススメです。