60代のトランスジェンダー

60歳を過ぎてからジェンダークリニックの門を叩いたMtFのお話

「結婚の自由をすべての人に」東京地裁(女性裁判長)判決

「結婚の自由をすべての人に」という名前の裁判があります。簡単に表現すると「同性婚裁判」、同性婚を認めさせるための裁判が全国5つの裁判所(北海道、東京、名古屋、大阪、福岡)で争われています。

結婚の自由をすべての人に」、LUSHが同性婚のための啓発 ...LUSHの記事より

2021年3月17日の札幌地裁、2022年6月20日の大阪地裁に続いて、昨日、東京地裁での判決が出ました。
結果は「合憲」でしたが、「違憲状態」と判断されました。

これで、これまでの結果は

◆札幌
×違憲
◆大阪
〇合憲(将来的に違憲になる可能性はある)
◆東京
△合憲(違憲状態)

となりました。

大阪、東京の地裁では「合憲」との判決でしたが、大阪では同性カップルについて「望みどおり婚姻できない重大な影響が生じている」とした上で、社会で公に認知されて安心して共同生活を営む利益が満たされていないと指摘し、「婚姻に類似する新たな法的承認の制度を創設することも可能だ」とし、「同性婚の制度導入について法的措置が取られないことが将来的に違憲になる可能性はある」と立法府に注文を付けました。

また東京では、同性愛者についてパートナーと家族となるための法制度が存在しないことは、憲法24条2項に違反する状態にあると判断しました。

いずれも、同性婚が認められていない現状について、何の問題もないとは認めませんでした。

私が注目したのは、札幌、大阪、東京の各地裁の裁判長がすべて女性だったという事です。
東京地裁は最初、田中寛明という男性の裁判長でしたが、「原告の個別事情は『夾雑物』つまり『余計なもの』だと述べ、本人尋問を認めない」などの判断をし、裁判長が原告に真摯に向き合わないとして署名運動も起きていました。
しかし、その後、裁判官の人事異動で女性の裁判官に代わり、昨日の判決に至ったという経緯があります。
ここで、これまでに出された判決を再度振り返ってみると、
◆札幌
×違憲
👩武部知子裁判長(女性)
◆大阪
〇合憲(将来的に違憲になる可能性はある)
👩土井文美裁判長(女性)
◆東京
△合憲(違憲状態)
👨田中寛明裁判長(男性)⇒👩池原桃子裁判長(女性)
となります。

もし、これら3地裁の裁判長がすべて男性だったら、判決はどうなっていたんでしょう????

考えたくもないですね。

例えば、実の娘に性的虐待行為を繰り返していた父親が無罪になったことを始め、性犯罪に対する無罪判決が続いて「そんなばかな」と話題になったことがありました。

また、夫婦別姓を求める裁判では、最高裁で合憲の判断が出されましたが、15人の裁判官の中にいた3人の女性裁判官は全員「違憲」の判断でした。

このように裁判官が男性か女性かによって判断が分かれるケースが多々あります。

2016年現在、裁判官の女性比率は21.3%だそうです(内閣府男女共同参画局の調査)。

だいたい男性裁判官4人に対して、女性裁判官は1人しかいない状態です。

これでは男性の感覚に基づく判決が多くなるのも当たり前ですね。

ちなみに、名古屋地裁では、桃崎剛裁判長(男性)から吉田彩裁判長(女性)に代わっています。

福岡地裁は上田洋幸裁判長(だぶん男性)です。

名古屋、福岡の判決を見守りましょう♪