60代のトランスジェンダー

60歳を過ぎてからジェンダークリニックの門を叩いたMtFのお話

虹色温泉

昨日、MixRainbowというNPO尼崎市の蓬莱湯というお風呂屋さんで開催した「虹色温泉」というイベントに参加してきました。

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日ごろ銭湯に入りにくい性自認が体の性と異なる人が、自身の性自認に基づきお風呂に入る事ができる、というイベントです。

実は3年ほど前に大分の別府で「レインボー風呂ジェクト」という同じような趣旨のイベントがあり、NHKで報じられた事を知った時、参加したい!そういうイベントをやってみたい!と思ったものの、その後そういうイベントはなく、まして自分で開催するなんて事はできなくて、忘れかけていた時に、尼崎で開催するとの告知を知って、すぐに参加を申し込みました(^^)

私自身は戸籍も変更済みで、今は女湯に入る事はできますが、戸籍を変更していないトランスジェンダーにとって、やはり性自認に従って公衆浴場に入るという事はおろか、体の性に従って入浴するのも高い壁があります。

そういう人たちのためにいっときでも性自認に従って公衆浴場に入ってもらおうというのが今回のイベントです。

しかし、体の性は参加者それぞれですから、体を隠すことができるよう、イベント開催時に限り、水着着用可、タオルを湯船に浸けることも可、というルールで行われました。

大分のイベントに比べて参加人数は少なかったものの、当事者がこういうイベントを開催して、同じように思っている当事者の方たちに会えたのはすごく感動ものでした。

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このイベントは開催前に地元の新聞に掲載され、ネットニュースとしても拡散しました。

そのため、イベントを知った人たちからの誹謗中傷や嫌がらせが多数あったそうです。

それにも負けずに開催した蓬莱湯の女将さんやスタッフの皆さんの強さには頭が下がります。

お風呂に入った後、交流会があったのですが、その席で、蓬莱湯の女将さんもスタッフの皆さんも「こういうイベントが全国に広がるといいね」という話をしてされていました。

私も同感ですが、トランスジェンダーに対する厳しい世論が増えている昨今、全国に広まるのはなかなか難しい事かもわかりません。

ヘイトや嫌がらせを嫌って手を上げてくれるお風呂屋さんもいないかも分かりません。

当事者の「銭湯や温泉に入りたい」という素直な気持ちから始まったこのイベントを、どうしたら世間に理解してもらえるイベントにしていく事ができるのでしょうか?

根気よく理解を広げていく努力をしないといけませんね。