60代のトランスジェンダー

60歳を過ぎてからジェンダークリニックの門を叩いたMtFのお話

差別に反対する人でも不十分な理解

今日、憲法とLGBTというテーマで弁護士の人の話を聞く機会がありました。

もちろん、LGBTの人権を守るという立場から憲法を考えるお話です。

憲法14条とLGBTとの関係で、次のようにお話しされました。

LGBTに対する差別は、信条や性別による差別として、同条の定める『法の下の平等』に反する。

 

憲法14条の1項に書いてあることと言えば、

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 です。

この条文の中の「信条」と「性別」を取り上げて、LGBTについてはこの二つの項目に照らし合わせて差別してはならない、と説明されたのです。

しかし、私はここで異議を唱えました。

LGBTは「信条」ではありません、と。

信条とは違い、LGBTは生まれつきのもので、自分の意志で変えられるものではありません、と。

 

例えば、生まれつき体のどこかが悪い人がいたとして、そのことに対して、「それはその人の信条だ」などとは誰も言いません。

ところが、LGBTに対しては、LGBTに対して理解があると自負している人でさえも、「LGBTは趣味」だとか「LGBTは自分で選んだんだから」と考えている人がたくさんいます。

さすがに弁護士さんはすぐに理解してくれて、「『信条』と説明したのは不適切だった」と言ってくれましたが、一般の人の多くが「LGBTは自分で選ぶもの、趣味嗜好のうち」と考えているのだという一端が窺えました。

まず、そこから正しく理解してもらわないと、LGBTに対する差別・偏見はなくなりません。

 


f:id:sayuri6:20181121203806p:plain