60代のトランスジェンダー

60歳を過ぎてからジェンダークリニックの門を叩いたMtFのお話

同性婚賛成が46%に! 反対は23%

朝日新聞社東京大学谷口将紀研究室が3~4月に実施した夫婦別姓同性婚についての共同調査の結果が発表されました。

その結果、夫婦別姓の方が賛成の人の割合は多いのですが、それでも、同性婚に賛成の人は46%、反対の人は23%と、賛成の人が反対の人の2倍いることが分かりました。

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2020年5月29日付朝日新聞DIGITAL より

 この調査の興味深いところは、国政選挙の自民党候補者にも同じ質問をしているところです。

その結果、直近の2019年の参院選自民党候補者の同性婚賛成率はたったの9%だということです。

今年の調査で、自民党支持層に限った割合でも同性婚賛成は41%もいます。いかに自民党国会議員の意識が民意とかけ離れているかということがよくわかる調査です。

同性カップルの当事者の人でも「政治には関心がない」と言う人が少なからずいますが、選挙で議員を変えなきゃいつまで経っても同性婚なんてこの国では認められないということです。

当事者のみなさん、選挙行きましょう!

gid.jpに掲載してもらいました

一般社団法人gid.jpが体験談を募集していたので、投稿し、載せてもらいました。

通称名で生きるために」というタイトルで、このブログでもその都度書いてきましたが、健康保険証、銀行の口座名、スマホの契約名など、いろいろなもので名前を戸籍名から通称名に変更してきた経験を簡単にまとめたものです。

1500字という制約の中で書いたので、けっこうクチャッとした文章になってしまっています。

リンクを貼っておきますが、リンク先がなくなるといけないので、その下に全文載せておきます。

伝え励まし合おう、当事者体験談 「通称名で生きるために」

【全文】

 私は還暦を過ぎてからホルモン治療を始め、現在、すでに高齢者の域に入ってしまいましたが、まだ戸籍の名前、性別ともに生まれた時のままです。
私の通称名「小百合」は生まれて初めてメイクをしてもらった日に「名前を付けなきゃ」と言われて、とっさに思い浮かんだ吉永小百合さんからいただきました。
それ以来、現在まで「小百合」を名乗っています。

トランスジェンダーの人の多くが名前で苦労されているように、私も病院での診察を始め、戸籍名を使わざるを得ない場面でいろいろイヤな思いをしてきました。
「戸籍を変えればいいのに」とアドバイスしてくれる当事者の方もみえますが、テレビで活躍中のはるな愛さんが「大西賢示でいることが親孝行」という理由で戸籍名を変えていないように、何らかの理由で通称名で生活している当事者の方はたくさんいます。
私も、いずれ戸籍変更するにせよ、今は通称名で暮らすと決めています。
そこで、通称名で女性として暮らすためにも、普段の生活で極力イヤな思いはしたくないので、今の日本で女性として通用することがどれだけあるかできるだけ調べて、対応してもらえるものは対応してもらうよう努めてきました。

まず最初にお願いしたのが健康診断です。
毎年健康診断を受けている市民病院に事情を書いて更衣室のことを相談しました。初めてのことなので返事が来るまで不安でしたが、とても好意的に受け止めていただいて、その年はカーテンで仕切られた場所で、次の年からは別室を用意していただいてそこで着替えをしています。

次に取り組んだのは健康保険証です。
実は厚生労働省から2017年8月31日付けで「性同一性障害と診断された人が日常で使う『通称名』を、健康保険証の氏名欄に記載することを認める」という通知が全国に出されていたのです。
そのことを根拠に、健康保険証の記載名を通称名に変えてもらいました。しかし、事はそんなに簡単ではありませんでした。
私の健康保険証は全国健康保険協会、通称「協会けんぽ」なのですが、最初「協会けんぽ」に電話した時は「年金事務所で聞いてほしい」と言われ、年金事務所に電話すると、「戸籍は変えていない」と断ったうえでお願いしているのに「戸籍謄本を提出してください」と言われ、事情をよく説明すると今度は「協会けんぽに電話してください」と言われて、たらいまわしの末、結局協会けんぽの手続きで通称名に変更することができました。

このように、制度はあっても担当者が知らないためにスムーズに手続きができないことが多々ありました。
ほかには、診察券、介護保険証、銀行口座、クレジットカード、スマホの契約、町内会の名簿、電気ガス水道などの公共料金...などなど、いろいろな名義を「小百合」に変えてきました。

今でも時々SNSなどで、「病院でイヤな思いをした」などの投稿をしている人を見かけますが、「通称名に変えられますよ」と教えてあげると「そんなことができるなんて知りませんでした」と喜んでもらえます。
実際、通称名に変えられるという制度を知らない当事者の方はたくさんいるようですので、このことをできるだけ多くの当事者の方に知ってもらいたいと思っています。

しかし、いまだに通称名が使えないものも、運転免許証、住民票、登記や保険の契約などたくさんあります。
運転免許証は以前から在日外国人の方は通称名を併記できますし、住民票には2019年から旧姓を併記できるようになりました。
ぜひこれらの書類にもトランスジェンダー通称名を併記できるように、機会を見てはいろいろなところで声をあげていきたいと思います。

 

韓国の新型コロナ集団感染

 5月6日に20代の男性の新型コロナ感染が判明したのだが、その男性が韓国の梨泰院というところでいくつかのクラブをハシゴし、ナイトクラブ「キング(King)」という店を中心にコロナ感染者が続出した、というニュースが5月11日から12日にかけて報じられました。そのナイトクラブがゲイクラブだということで、ネットには「ゲイクラブ」「ゲイバー」という言葉が飛び交いました。

 そして、5月13日の中日新聞朝刊にこんな記事が・・・

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性的少数者多く追跡難航」という見出し!

新聞なんて、見出ししか見ない人が多いのに、こんな見出しを出されたら、「性的少数者っていったい何やってるんだよ!」と思われてしまう!

実際に「だからお前達(LGBT性的少数者)は駄目だ。倫理的にも乱れている。こんな店で誰かれかまわず相手を探して遊んでいるから感染するんだ。」と言われたという当事者の人もいます。

たしかに、本文をちゃんと読めば、韓国社会のLGBTへの不寛容さが指摘されている、と書いてあって、ほんとの背景は韓国社会のLGBTへの不寛容さであるということは分かりますが、果たして何人の人が本文まできちんと読んだでしょうか?

こういうこと一つで、性的少数者への偏見や差別、バッシングがひどくなるんです。

見出し一つつけるのにも、当事者の立場をしっかり理解した上で、こういう見出しを付けるとどういうことになるか、という想像力を働かせて記事を書いてほしいものです。

ということで、今日、中日新聞社に上のような内容の抗議のメールを送りました。

続柄欄は「子」

 昨日、母親の今後を相談するために老人ホーム紹介センターというところに行ってきました。

 最近、介護関係のところへよく顔を出すようになりましたが、いろいろな会社がそれぞれ役割を担って活動しているのですね。介護業界の実態というのが少しずつ分かってきました。

着いて最初に書かされたのが「相談記録票」というようなもので、利用者本人(私の母親)と相談に来た人の情報を書くようになっていました。5月3日の投稿にも書きましたが、こういう書類には「続柄」という欄があります。

内心「また長男って書かないといけないのか・・」と気分が一気に滅入りましたが、この時ふと思ったことがあって、「そういえば、続柄には『子』という書き方があったはず!」と気が付いて、続柄欄には「子」と記入しました。

特に担当者には何も言われなかったので、ほっとしました。

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「続柄として『子』という書き方をするのは嫡出でない子の場合」という記憶があったのですが、自宅に帰ってからネットで続柄のことを調べてみたら、いろいろ時代とともに変遷があって、しかも、戸籍と住民票では書き方が違うようです。

【戸籍の場合】

もともとは嫡出でない場合は「子」ではなくて「男」「女」と記載されていたようです。

それが、2004年に法務省の改定により

嫡出でない子の出生の届出がされた場合,戸籍の父母との続柄欄には,母が分娩した嫡出でない子の出生の順に,「長男(長女)」,「二男(二女)」等と記載されます。

と改められました。

【住民票の場合】

住民票の場合は

子については、以前は「長男」「長女」などが用いられたが、1995年3月以降は、嫡出子、非嫡出子、養子などの別を問わずすべて「子」と記載される。

だそうです。

 

私たちの世代は続柄と言えば、長男、長女、次男、次女(正しくは二男、二女らしいですが)、三男、三女と書くという認識ですが、今は「子」でいいんですね。

いやぁ、すっきりしました。

これからは続柄欄は「子」!

「長男」って書くのいやだなぁ、と悩まなくてもいいわけです(^▽^)

続柄欄が「子」でいいなら、名前の欄も知らん顔して「小嶋小百合」と書いておけばいいし♪

ひとつストレスが消えました\(^o^)/

 

戸籍名を名乗らなければならない時

実は最近、戸籍名を名乗らなければならない場面が立て続けに・・・(-_-;)

私の母親は一人暮らししてます。去年あたりから認知症もかなり進行しているみたいです。

週に1回ずつ訪問看護師さんとヘルパーさんに来てもらっているんだけど、あとは訪ねてくる人もなく。。。

デイサービスに行けばいろんな人と話もできるし、運動も健康管理もできるし、昼食も用意してくれるし、良いことばかりじゃん♪

ということで、訪問看護師さんとヘルパーさんとケアマネさんに相談して、何か所か体験入所することにしました。

体験入所するにも施設によっていろいろ手続きが違っていて、電話で話しただけで「どうぞどうぞ」と話が決まるところもあれば、何枚か書類を書かなければならないところも!

8階建てのビル型デイサービスセンターというところは書類に家族の氏名と続柄まで書く欄があって、さすがに「次女」と書くのは気が引けて、どうしようか迷った挙句、担当者に相談したら「戸籍通りに書いてください」って言われて、結局戸籍名を書く羽目に (´;ω;`)ウッ…

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そんな母をいつまでも一人暮らしさせておくわけにもいかず、住居をなんとかしなくては、ということで、不動産屋さんで、とある不動産の手続きをしたのですが、私が契約者になるので私の名前を書かなければいけないのですけど、こういう不動産の契約って、戸籍名なんですよね。実印もいるし。実印はもちろん戸籍名で作ってあります(;^_^A

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 そして今、世界はまさに新型コロナウイルス感染症で緊急事態!

日本では【新型コロナウイルス感染症対策】「持続化給付金」が支給されることになって、私も仕事を休業しているので申請することにしました。

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こういうお役所の手続きはもちろん、戸籍名を書かなければなりません。

給付金が少額なら、まぁなくてもいいかぁ、で済ましてもいいんですが、ちょっとそれで済まされる金額でもないし、うちも愛知県からの休業協力依頼で4月23日から休業して売り上げゼロなので、もらわないわけにもいかない(^^;)

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 ということで、戸籍名を書いたり記入したりしなければいけない事が続いております。

ストレスマックスですねぇ。

真剣に戸籍名を変えることを考えようかなぁ・・・

母親に思いっきりアウティングされました!

母親も87歳になって、一見しっかりしているように見えて、かなり、認知症も進んできました。

一人暮らししているので、そろそろデイサービスにでも通って、世間の「福祉施設」と呼ばれているところに少しずつでも慣れた方がいいのでは?と思って、母親のところに来ていただいている訪問看護師さんに相談したところ、大賛成!と言われるので、ケアマネージャーさんにお願いして、今日実家の近所のデイサービスの施設に母親と二人で体験に行ってきました。

私たちが着いた時には、普段から利用されているらしい利用者さんが10名ほどみえました。

私は利用者さんたちとは離れたところにいて、みなさんを遠くから見ていただけですが、少し会話も慣れてきた頃に、みなさん私のことが気になるらしく、何人かが「娘さん?」「娘さんなの?」と口々に母親に聞いていました。

そこで、母親が「違うよ、あれは息子だよ!」と爆弾発言!

(+。+)アチャー

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思わぬところで母親にアウティングされてしまいました(T^T)

みなさん、90歳前後の方ばかりなので、一瞬、きょとんとして、あまり意味を理解されていなかったようでした。

一人、デイサービスのオーナーの方だけがアタフタ(((^^;)(;^^) ))

(この方は私がトランスジェンダーだということはご存知です。)

私はただただ、苦笑いをしているしかありませんでした・・・・

水道料金の名義の変更

電気料金、ガス料金と名義を変えてきて、公共料金はあと水道料金です。

「使用水量のお知らせ」の紙を財布の中に入れておいたのですがなかなか市役所に行って変更手続きをする時間がありませんでした。

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世の中はコロナウィルス騒ぎの真っ最中です。そんな中、4月1日のエープリルフールの日に安倍首相が全世帯に布マスク2枚を配ると発表し、ネットで批判が殺到しました。

私も、Facebookで安倍さんのマスクネタを投稿したところ、春日井の自民党市議会議員さんから反論のコメントをいただきました。

Messengerで少し話した後、市役所で話をしましょう、ということになりました。

そのために、春日井市役所に来たのですが、せっかくなので、ついでに、上下水道業務課に寄って、水道料金通知の名前を「小百合」に変えてもらいました。

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手続きが面倒だったり、そもそも通称名には変えてもらえないかも分からないと思って早めに来たんですが、窓口の担当の方に口頭でお願いしただけで、何の書類も書かず、パソコンをカチャカチャとしばらく操作しただけで「はい、名前変わりました。ご確認ください」と印刷した用紙を見せてもらって終わりです(見せてもらった用紙は差し上げられない、とのこと)。
あまりに簡単だったので拍子抜けです(笑)
ただし、名前を変えました、という証拠になる書類は何もなく、次の次から名前が変わりますので、通知を受け取って名前を確認してください、との事でした。